こどもがつくるこどものまちミニさせぼ
と、その前に・・・
30年以上続く、ドイツ・ミュンヘン市のミニミュンヘンをご紹介しましょう。
ミニさせぼについて
7歳から15歳までの子どもだけが運営する子どものまち「ミニ・ミュンヘン」
夏休みに3週間だけ誕生する仮設都市で、ミュンヘン市ではすでに30年以上の歴史があります。
このまちの市民権を得るためには、まず少しだけ仕事(訓練所)と学習(アカデミー)が必要です。
市民権をもらうと、自分の好きな仕事を見つけて働き、「ミミュ」というお金をもらいます。
時給はすべて5ミミュですが、1ミミュだけ税金として市役所に納めなければなりません。
ミミュを持っていると、映画を見る事もできるし、バス(手押しの)に乗る事もできるし、もちろんお昼ごはんを食べる事もできます。
「大きな都市」さながらに、コックさん、タクシー運転手、花屋さん、デパートの店員、デザイナー、アナウンサー、新聞記者、教員、そして公務員や議員さん、市長さんなどの仕事がたくさんあります。
ミミュがあまったら銀行に預けたり、土地を買ってお店を経営する事もできます。
そのために、銀行員、建築家、大工さんもいます。
この「小さな都市」で子どもは時間を忘れて、「遊び」「働き」「学び」ます。
子どもは楽しいから毎日来ます。遊ぶことと、働くことの違いは全くありません。
もちろん、ルールを守らないと警察官に注意されたり、場合によっては裁判にかけられ、罰金を取られることもあります。しかし、このルールを作るのも変えるのも子どもの仕事なのです。
国内での広がり
「ミニミュンヘン」に出合いスタートした「ミニさくら」をはじめ、ミニミュンヘンをルーツとしない名古屋の「だがねランド」など、単発・継続合わせると200を超える開催というのは、本国ドイツに次いで日本は「こどもがつくるこどものまち」が広がった国だと言えます。
日本の特徴として、商店街活性化と結びついて展開しているものや、地域通貨や経済を学ぶ一環として行われているもの、政治や社会の仕組みを知り、関心を持つためのものなどミニミュンヘン以上に大人社会と密接に関わっていることが挙げられたりと、大人の思惑が強い事例も無い訳ではありません。
予算の大小、支援のあり方など、団体ごとの課題も少なくはありませんが、細分化、分業化の進んだ社会の仕組みを知るためにも、子どもたちの未来に直結している貴重な取り組みとなっています。
佐世保市の子ども支援事業の一環として5年間実施された「佐世保市外遊びを楽しもう会」のメンバーと市職員(子ども未来部)は、2012年8月福岡市で開催された「ミニふくおか」を視察しました。
佐世保市での開催を目指し、佐世保市保育会、長崎国際大学、長崎短期大学、一般社会人有志が結集。
佐世保市提案公募型の市民協働事業採択を受け、2014年12月第1回ミニさせぼを開催しました。
市からの助成が終了した2017年(第4回)からは、完全な自主事業として継続。
保育事業者、民間事業者、県立佐世保商業高校、長崎短期大学保育学科、長崎県立大学学生ボランティアの有志による運営と、個人・企業など様々な支援を受け継続しています。
第5回ミニさせぼから、隣接する佐々町教育委員会の後援もいただき、佐々町内の小中学生にも体験の機会を提供できるようになりました。参加希望者も定数を大きく超え、着実に周知が進んでいます。
シンボルマーク、キャッチフレーズも毎年子どもたちが考案しています。
2014
笑顔あふれるHappyなまちミニさせぼ
2015
キラキラ輝く楽しいまちミニさせぼ
2016
みんなつながる夢いっぱいのまちミニさせぼ
2017
花咲け!明るいミニさせぼ
2018
笑顔でHAPPYミニさせぼ
ミニさせぼについて
ミニさせぼって何するの?
会場となる大きな体育館には、色々なお店や役所があり、
そこには準備活動(ワークショップ)を重ねた実行委員と呼ばれる子どもたちが店長さんとして待っています。
当日初めて参加する子どもたち(市民)は、ガイダンスという説明会に参加し、ミニさせぼ市民証・お仕事手帳・お金・名札を受け取り、求人票を見て仕事を選んだらハローワークで紹介状を受け取ります。
仕事先が決まったら、お店に行き店長さんの指示で仕事を始めます。
1時間ごとに店長さんからお仕事手帳にチェックをもらい、銀行に行って給料を受け取ります。
決められた休み時間に、もらったお金で自由にショッピングや食事を楽しむことができます。
7月上旬、佐世保市と佐々町内の全小中学校に実行委員募集チラシを配布。対象は小学4年生以上、中学3年生までの約30名。
夏休み明けの9月から、本番の12月まで7回のワークショップに参加します。
まちの仕組みやお金、仕事などについて学びながら、子どもたち自身が理想のまちを作り上げる準備を重ねていきます。
やりたい!がすぐ見つかる子もいれば、なかなか自分のイメージが固まらない子もいます。
イメージだけでは具体的な準備にたどり着けません。
そうした葛藤や歯がゆさを感じながら、子どもたち自身が答えを手繰り寄せていきます。
原則として大人は介入しません。
仲間がいるからがんばれる!
え〜っと・・・
う〜ん、どうしようかな
あ〜、そうかぁ
むずかしいなぁ
答えは自分で手に入れる!
子ども実行委員になるには
12月開催されるミニさせぼ市民は約100名✖️2日間 計200名以上を募集します。
こんな仕事が待っています!
会場に入ると求人票の貼り出された大きなパネルが待っています。
仕事は大きく分けて4つ。
市役所や銀行、警察などの「公共」
食事やおやつが買える「飲食」
手作り雑貨や小物をあつかう「物販」
映画や似顔絵が楽しめる「サービス」
市民となった子どもたちは、このどこかに就職し働くことで賃金を受け取ります。お金は自由に使うことができますが、税金を引かれた額を受け取ることになります。
好きな仕事につけるとは限りません。けれど、どんな仕事でも「まち」に必要な仕事。
レストラン
映画館
パンケーキ屋さん
銀行
うどん屋さん
ネイルショップ
ホームセンター
だがし屋さん
ドリンクショップ
市役所
お茶屋さん
雑貨屋さん
写真スタジオ
芸能事務所
新聞社
缶バッチ屋さん
クリーンセンター
宝くじ屋さん
ラジオ局
タクシー屋さん
警察署
病院
ハローワーク
釣り堀
似顔絵屋さん
占い屋さん
ゲームセンター
保育園
これはほんの一部です。
実行委員になると、やりたい仕事を選びそのための準備から取りかかることができます。
子ども市民
子ども市民
開催までのスケジュール
7月 実行委員募集開始・・・・・・・佐世保市・佐々町教育委員会から対象校へチラシ配布。
8月 実行委員決定・・・・・・・・・原則先着順となります。(小4〜中3まで)
9月 第1、2回実行委員会開催・・・まちのルールや仕事決めまでの話し合いをします。
10月 第3、4回実行委員会開催・・・まちのデザインやお店のレイアウトも考えます。
市民募集開始・・・・・・・・・佐世保市・佐々町教育委員会から対象校へチラシ配布。
11月 第5、6回実行委員会開催・・・お店の商品や看板などを準備します。
市民決定・・・・・・・・・・・原則先着順となります。(小3〜中3まで)
12月 第7回実行委員会開催・・・・・開幕前最後の実行委員会。準備に大わらわ!
ミニさせぼ開催・・・・・・・・準備が出来ても出来なくても、本番で力を発揮する子どもたち。
1月 実行委員ふりかえりの会・・・・もっとこうしたい、次はこうやりたいを発表します。
※実行委員会とは=子ども店長(責任者チーム) 運営委員会とは=運営にあたる大人チーム よく間違えられております(^_^;)
新年度になり概要が決まり次第、佐世保市と佐々町に後援を依頼。教育委員会を通じて、対象となる児童生徒全てに実行委員募集チラシを配布します。実行委員会メンバーが確定するまでに、資料作成やワークショップの進め方についての協議も重ねます。まちに必要な資材(子どもたちからの要望)調達や資金協力(協賛のお願い)にも奔走します。
公的な施設利用に関する手続き、資材運搬、傷害保険加入など、様々な業務を手分けして行なっています。
元々この活動に教科書はありません。運営に関わる大人たちが悩みながら今のミニさせぼスタイルを作ってきました。
大人の思惑を持ち込まない!をスローガンに頑張っています。「毎年、毎回ゼロスタート」が合言葉。
運営
委員会
参加者の声 2018年分から抜粋
子ども市民の声
保護者の声
サポーター募集
ミニさせぼでは大人が描くゴールを子どもたちに用意することはありません。
そもそもゴールを目指すのではなく、やりたい!を自分の力で実現することを目的としています。
ですから、参加が決まった子どもたちは、その時点でゴールしているのです。
悩みながらも、驚くほどの熱意を持続させ、子どもたちは「まち」の一員として輝いてくれます。
どのように、どうやって、実現していくか。
そこに向き合う機会と場所を、私たち運営委員は用意するだけ。
運営する私たちの力不足や不十分を、しなやかに超えていく子どもたちを信じ、
このミニさせぼを継続していきたいと思っていますが、もっと安定した取り組みとしていくため
ご支援いただける仲間を募集しています。
運営委員会
代表、副代表、会計、事務局のほか、保険、資材管理、渉外活動などを担う市民有志で運営されています。
学生サポーター
佐世保商業高校、長崎県立大学ボランティア、長崎短期大学などの学生による支援。興味のある学生大歓迎!
一般サポーター
本番での設営支援、運搬などのスポット支援、物品提供のほか、子どもたちへの相談支援も求めています。